こんにちは、こつまるです。
秋にさしかかると布団から出られないほど朝の空気が急に寒くなって驚きますよね
こつまるも、朝はとても寒さに弱く塩をかけられたナメクジのように布団の中で縮こまっています。
あまり見た目にはわかりませんが、実はあなたの飼育しているお魚たちも同じように、もしかしたら朝の寒さに驚いて震え上がっているかもしれません。
今回はそんな熱帯魚のためのヒーターのお話です。
- 初めて冬を迎えるんだけど、どんなヒーターを選んだらいいのかわからない
- 自分の水槽に合ったヒーター選びをしたい
このような方に向けて
仕組みから何から全部まとめて解説します
これをすべて読んだらもう大丈夫、あなたは
冒頭に目次がありますので
知りたい情報へジャンプしながら読んでみてください。
それではザックリやっていきましょう。
なぜヒーターが必要なの?

そもそも無加温ではいけないのでしょうか?
結論から言うと「必要」なんですが
まず経験上、比較的暖かいとされている私の住まい千葉南部でもガチの冬場は朝の冷え込みにより室温は10℃近辺まで落ち込みます。

まぁ寒冷地に住んでる方にとっては10℃なんて、ちゃんちゃらおかしい温度かもしれませんが、比較的暖かい地方でも冷え込む朝はわりとしっかり冷え込みます。
ほとんどの熱帯魚は寒さにめちゃめちゃ弱く無加温のままですと、秋から冬にかけての時期は朝の急激な温度低下によって体内の細菌が暴れだしたり、エサの食いつきが悪くなったり、突然お魚たちの体調が悪くなってしまうことも少なくありません。

熱帯魚の適正水温は、だいたい23℃〜28℃程度と言われていますので、低すぎる水温では生きていけないのが実情です。
1時間ごとに23℃→26℃→23℃みたいなころころ切り替わる
急な温度変化は無理ですが、個人的には25~26℃ぐらいで安定するのがベストだと思います

また、多くの水草も冷たすぎる水温では育成が非常に困難になります。
水草にとっても、居心地の良い水温というのは決まっていて、だいたい水温を24~26℃ぐらいに保っていると、より鮮やかに健康的に育ってくれます。
つまり、
基本的に日本のどこに住んでいてもアクアリウムをやるならば冬場には水温を暖かい状態で一定に保つための装置が必要ということです。
例外として外飼いのメダカの仲間や金魚、浮草などは、外の過酷な低温状態でも耐えられる種類ですのでこの限りではありません。
ヒーターの仕組み

それでは
ヒーターはどのような仕組みで
水を温めるのでしょうか?
ヒーターの部品解説
ヒーターの主な部品は
3つに分かれて構成されています
- 伝熱管
- サーモスタット
- 温度可変ダイヤル
順番にサラッと確認していきましょう
温まる管の部分ですね
かなりアチアチ高温になる部位ですので、ほとんどの場合はヒーターカバーが付属しています。
注意点としてはこの部分を空気中に露出したままコンセントをつながないでください
最悪、家がアチアチになります
結構ありがちなのは、水替えで水位が下がっているときに水面からヒーターがコンニチワするパターンです。
ヒーターの設置場所と水位には十分注意してください。
水槽の温度を感知する部分です。
水槽が熱くなりすぎないように伝熱管のオンオフを自動で制御して、水温を一定に保つ役割があります。
オートヒータータイプの場合は、これがどこに存在するのかわかりにくい部位なのですが、アクア用品メーカーGEXさんのヒーターなんかは、がっつり分かりやすい見た目で分かりやすいですね
ちなみにサーモスタット・伝熱管共に分離したセパレートタイプのヒーターもあります。
これは後に解説します。
オートヒーターではないヒーターには基本的にこのダイヤルがついています。
メモリに示された温度になるまで加熱していき十分に温まったら自動的に電源が切れます。
魚の状況に応じて水槽温度を変えるためのダイヤルです。
ヒーターは消耗品

これは、初心者にはあまり認知されない概念なのですが、日本で販売されているヒーターのほとんどにはメーカー推奨の使用期限が設けられています。
「壊れてなくても1年をめどに新品へ交換してくださいねー」
なんて、パッケージや説明書に書かれています
「壊れてなければそのままずっと使えばいいじゃん」
と思うかもしれませんが、加熱器具は故障を伴うと魚たちが死んでしまったり、火災に発展する可能性もある為この辺の決まり事は、かなり厳しめにメーカーさんが交換期限を設けています。

ただ実際のところ、長く使うには使えるんですよ
しかしヒーターの故障は魚の死に直結しやすいので、人間がヒーターの故障に気づいた時には既にほぼ壊滅か、手遅れになってしまっている場合がほとんどです。
水の温度を一定に保つにはヒーターの電源が内部でオンとオフを交互に繰り返し続けるため、いずれは物理的な限界が来て壊れていく物です。
ですので、可能な限りメーカーの使用期限に基づいてシーズンごとに新品のヒーターを用意することをお勧めします。
よくメルカリなどでは、安い値段で中古品が出回っていますが販売者の使用期間の確認と、中古品である事の相互理解を取った上で、あくまで自己責任で購入・使用をしてください。
こつまるもたまに買いますが
この辺は割り切って使用しています。
形状の違い

流通しているヒーターの形状には
主に三種類のタイプがあります。
まず一つ目はオートヒーターです。
写真内の矢印を操作して
本体の形状を確認してみてください
「26度に自動調節!」とか「26℃水温をキープ」なんて
パッケージに書かれているのを見ますね。
うたい文句の通り、水に正しい向きで沈めて電源を入れれば明記された温度まで勝手に自動で水槽が温まってくれます。
十分に温まったら自動で電源がオフになり加温が停止します。
最大のメリットは、仕組みがあまりわからなくてもとりあえずちゃんと設置すれば機能するということです。
シンプルな構造がゆえに
お値段もお手頃なタイプです。
入門用としては
一番気兼ねなく初めやすいヒーターです。
二つ目は一体型ダイヤル式ヒーターです
これも矢印操作で形状を確認してみてください
これは最初に紹介したオートヒーターに
「温度調節機能」が備わった商品です。
設置のシンプルさは先に紹介したオートヒーターとなんら変わりありません。
そこへ追加機能として、温度を任意で変える機能が加わっています。
例えば、魚が病気になった時に水温を高めに保って、病原菌を退治する場合とか熱帯魚(26℃)→金魚(18℃)のように使っていたヒーターを適応温度の異なる生体に使いまわししたい時とか、魚の飼育では水温を変えなければならないシチュエーションがちょいちょいあります。
そこで活躍するのがダイヤル付きヒーターです。
デメリットとしては紹介する3つの中で値段が一番高いって事です。
オートヒーターにさらに追加でダイヤルがついてますからね、当然と言っちゃ当然ですが。
なので、水槽を始めたばかりの人や、飼育する魚のコンセプトに変化がなさそうな人はこのヒータータイプによる恩恵はあまり得られないかもしれません。
最後は分離型ダイヤル式ヒーターです。
これはヒーター部位の
- 伝熱管
- サーモスタット
- ダイヤル
この中で伝熱管だけを切り離すことができるヒーターの事を言います。
このヒーターのメリットは、部位ごとに交換用の商品が別売りで出回っていますので、必要なタイミングで適切な部位だけを交換することにより最終的なトータル維持コストを抑えることができます。
交換用部品は以下のような形状で、別売りの交換部品が売られています。
※注意点ですが
間違っても伝熱管
すなわち交換用ヒーターだけを購入して、単独でそのまま水槽に運用しないでください、交換用ヒーターはサーモスタットがない場合ON/OFFの制御ができませんので、煮魚なっても無限に水が温まり続けてしまいます。
買うときに気を付ける事
それでは、実際に買うとき
パッケージのどこに注意すればいいのでしょうか?
結論から言うと
お店のパッケージを手に取って
注目する点は2つだけです。

写真を見ながら解説していきましょう。
設定温度の違い
写真①の部分ですね。
オートヒータータイプは、このように必ず固定温度が記載されています。
ものによっては、メダカや金魚に合わせた18℃・23℃設定の物もありますので、自分の飼っている魚に合わせた温度表記の物を間違いの無いように購入しましょう。
先ほど説明した温度変更ダイヤルのついているヒーターは、パッケージにこのような温度表記がありませんので注意してください。
そりゃそうですね、自由に温度をいじれますしね。
W(ワット数)の違い

②の項目です
おそらく初めのうちは、このワット数がちょっとわけわからんポイントだと思いますが
簡単に言いますと
W(ワット)数はすなわち火力です。
これは料理に例えるとわかりやすいです。

例えば、みなさんがキャンプに出掛けたとします。
極端な話ですが「カレー作ろうぜ!」となった時にろうそく一本でチマチマ鍋を温めてたら、いつまでたっても食材を煮込めないですよね。

逆に巨大なキャンプファイヤーで鍋を煮込もうと思ったら、あっという間に鍋は焦げ付きます。

これは行き過ぎた例えですが、要はちょうどいい火力がイイ!ということです。
キャンプでは鍋の大きさに合わせた火力、自宅では水槽に入っている水の量(水槽サイズ)に合わせて適切なワット数のヒーターを選択します。
なお、先ほどの商品パッケージにもメーカーによる適正水量が表記されていますが、あくまで目安は目安でしかないという事を覚えておいてください。
寒冷地や寒さピークの2月ごろなどでは、あまりにも寒くてパッケージに書かれている内容通りのワット数でも水が十分に温まらない現象が起こる可能性があります。
これはわりと経験する事例ですので、次に紹介する基準にそって自宅の水槽に適合したヒーター選びを改めて考えてみてください。

いざ、ヒーターを選んでみる
はい、もう実際にですね
という方は、私が実際に使用したことのあるヒーターの中からご紹介します。
初めての方が水槽に設置するならとりあえずこれを選んでおけば大丈夫だよー
といった感じです。
商品リンクで詳しくチェックするなり、スクショをとって実物をお店で確認してみるなりぜひやってみてください。
20cmキューブ水槽(水量約7L)でオススメのヒーター
国産メーカーのエヴァリスさんが出しているオートヒーターです。
小型のボディですので、20cmキューブのような小さめの水槽でもあまりスペースを占有することなくレイアウトを邪魔せずに水温を保てます。
30cm規格水槽(水量約12L)でオススメのヒーター
GEXさんが出している80Wのオートヒーターです
30cm以上の水槽用ヒーターは50W刻みで製品を作っている会社も多いのですが、GEXさんはこのような感じで微妙にW数を増やした「かゆいところに手が届く」といった感じのヒーターが多いです。
実際私が使用しているヒーターもGEXさんのものを多く使用しています。
30cmキューブ水槽(水量約25L前後)でオススメのヒーター
30cmの正方形(キューブ型の)水槽用です。
キューブ水槽は30cmという幅の割に、ある程度しっかりした水量を確保できる水槽だというのが特徴です。
なので当然、W数もある程度大きめのヒーターを設置しましょう。
「これさ、100Wでいいんじゃね?」
という熟練者様の声も聞こえてきそうですが、私の場合はこの160Wで冬シーズンを始まりから終わりまで全て乗り切れています。
温まりきらずに水温が冷たすぎると病気発生の原因にもなりますし、寒冷地など地域格差によっても多少なり基準が変わる問題ですので、迷うなら気持ち大きめのW数を基準に選ぶのがいいかと思います。
60cm規格水槽(水量約57L前後)でオススメのヒーター
だいたい初心者の方が初めに立ち上げる水槽のサイズは、この60cmまでが一般的だと思います。
200W以上でオートヒータータイプの物はほとんどありませんので、必然的にダイヤル式のヒーターになります。
これ単体で使用するか、100Wを二本同時に使用して別々のところへ設置するか、どちらのパターンでも大丈夫です。
2本使用する場合の方が、もし片方故障して止まってしまった際でも急な温度低下を防ぐことができます。
しかし単純に初期設置の費用が倍になります。
この辺はご自身の財布事情と相談ですね。
最後にまとめ
最後にヒーターを選ぶ注意点を二つ
おさらいしていきましょう。
- オートヒーターの場合はパッケージの温度表記(何℃固定か)を確認する事。
- W数とは火力の意味、特に寒冷地の人はパッケージ表記よりも大きめのW数を選ぶ事。
いかがだったでしょうか?
この記事初回執筆時、秋の終わりでした。
これからどんどん朝が寒くなっていきます。
名前もやはり「熱帯魚」というくらいですので
やはり寒さには敏感です。
お魚たちのためにも暖かい水槽環境を
ぜひ作ってあげてみてくださいね。
手っ取り早くどれを買えばいいのかおしえて?