こんにちは、こつまるです。
皆さん
水槽の水替え
ちゃんとやっていますか?
初めのうちは何のことだかさっぱりで、
なんて思っている方もいるのではないかと思います。
実際、私もはじめはそうでした。
道具も何を用意すればいいのか知らなかったし、具体的な手順も知り合いに聞いたりして手探りで行っていたのを覚えています。
今回は、今まさに水替えについて悩んでいる方の為、あるいは過去に悩んでいた初心者時代の自分に向けての解説です。
この記事でわかる内容は以下の通り
- 水替えを失敗しないために重要な事前の知識
- 水替えに必要な道具
- 具体的な水換えの手順
水替えについて右も左もわからないという初心者の方へ、これらを写真付きで解説していきます。
この記事を読めば、まだ一度も水替えをしたことない初心者でも、水替えの基礎的な手順と用意するべき道具を知る事ができます。
ややこしい話はキライ!要点のみ知りたい!
という方は、目次から【結論】と「水替え手順」の2項目だけ確認してみてください。
それではザックリやっていきましょう
【結論】水替え頻度の目安は週一回30%換水が基準
初めに結論から言いますと、水換えは
週一回、水槽内から30%の換水
これが一つの目安となります。
ただし、植えている水草の種類や量、どのような生体を何匹飼っているか、どのようなフィルターを設置しているかによって基準は大きく変動します。
具体的には
- モリモリの水草
- 水槽サイズに対して控えめの生体数
- 適切なサイズのフィルター
- 十分な光量の照明
- Co2添加装置の有無
これらの育成環境が整っていると水換えの頻度を少なくする事ができます。
逆に水草が少なかったり、水槽の大きさに対して生体数が多く、過密な状態で飼育していると、基準よりも高頻度な換水が必要になります。
水槽の汚れ方は飼育環境のバランス次第でかなり左右されますし、上記の要素を全て完璧に覚えようとしたら色々とややこしいので、慣れない始めのうちは何も考えずに週一回30%換水と覚えましょう。
【注意点】100%の全換水が絶対ダメな理由
初心者の頃やってしまいがちなのが、水槽水の100%交換です。
確かに全部交換!新鮮で透明な水を水槽内に入れてあげればスッキリキレイ!という発想は、初めは誰もが思いつく事ですよね?
しかしこの行為はアクアリウムにおいて
かなりの禁じ手となっています。
何もわからない初めの頃は前提の知識もあまりないので、しょうがない失敗ではありますが、ではなぜ100%の水換えがご法度とされているのでしょうか?
主な理由としては以下の2点になります。
- 急激な水質変化
- バクテリアの減少が発生する
どちらも意味合いとしては似ていますが、順番に解説していきましょう
全換水はpHなどの急激な水質変動を起こしてしまう
1つ目の理由は全換水によってpHなど、水質の急激な変化を起こし生体の調子が悪くなってしまうからです。
全然意味わかんないという方、大丈夫です安心してください。
ザックリいうとpH(ペーハー)は水の性質が酸性・アルカリ性どちらに傾いているのかを知るための指標で、人間で言うと室温のような存在です。
人間だって薄着の状態で暖かいコタツの中からいきなり極寒の外に出たら体がびっくりしますよね?
同様に水槽内では、pH(ペーハー)が魚たちにとって居心地の良い数値になっているかどうかも重要になっています。
水中の魚は非常に敏感な生き物です
水質が魚たちにとって落ち着く状態だったのにも関わらず、ある日いきなり全換水によって全く異なるpHの水へ変えてしまうと、魚たちが急に体調を崩してしまうかもしれません。
ペーハーについて今よりも知識を深めたいという方は、こちらの記事で詳しく紹介していますので、確認してみましょう。
バクテリア減少などの原因になる
2つ目の理由はバクテリアの減少が発生するためです。
はぃぃぃいいいいいいい!
でたでたぁああバクテリアきたー!
なにそれ?専門用語?
よくわかんない
もうムリムリー!!!
という方、大丈夫です落ち着いてください。
バクテリアは水槽内で汚れた水を、魚の住みやすい環境へ浄化してくれる細菌の事です。目に見えないだけで役割はシンプルにそんな感じです。
つまり水の全交換というのは水槽内の環境を激変させて、水を浄化してくれる存在を外に追いやってしまう行為に近いです。
バクテリアのメインの住処はフィルター内なので、30%程度の換水ならばそれほど悪影響を起こしません。
しかし、全換水では水質変化も相まってバクテリアの量が大幅に変化するので、生体にとってもバクテリアにとっても急激な水質変化はあまり良くない、という事になります。
実際はごくまれに特殊な水槽トラブルによって水の全交換をする場合もありますが、あくまで究極の最終手段という感覚で覚えておきましょう。
バクテリアに関して「よくわからない!でもちょっと詳しく知りたい!」という方は以下の記事で詳しく解説してるのでチェックしてみて下さい。
一部換水は部屋掃除、全換えは引っ越し
水槽の水換えは人間の生活環境に置き換えると非常にわかりやすいです
1/3の換水は魚にとって部屋掃除程度の感覚ですが
週1回の全交換は人間で言うと
1週間に1回引っ越しを行っているのと同じような行為です。
それはもうせわしない
人間だって環境になじめませんよね?
魚の居心地を考えて、なるべく水質に急激な変化を起こさぬように、こまめに少しずつ換えていきましょう。
- 週1回30%交換が基準
- 水の全交換は禁物
- 定期的に少しずつ交換して生体がビックリしないように配慮しよう
【水替え手順】必要な道具と具体的なやり方を解説
ここからは、具体的に水換えの手順を写真付きで順番に解説していきます。
一度も水換えした事が無い・右も左もわからない方でも、この手順通りに行えばきっと成功する事間違いなしです。
【準備】水換えで必要な道具をそろえよう
まず、いったいどんな道具を用意すれば水換えができるのか確認しましょう。
主に
- 作業に必須の道具
- あれば非常に便利な道具
この2種類をご紹介していきます。
必ずあった方がいい物
まずは必ずあった方がいい物を紹介していきます。
これが無いと始まらない、最低限必要な3種の神器はこちらです。
- バケツ
- 水換え用ポンプ
- カルキ抜き
順番に解説していきましょう。
【バケツ】
まずはバケツ
バケツを選ぶ時の基準は、何もわからないうちは青色か透明で、バケツ容量が13Lで内部に水量メモリが印字されている物を選びましょう。
注意点ですが、黒色など暗い色のバケツを選んでしまうと水の汚れが見えにくかったり、エビや魚をバケツへ入れた時に見失いやすくなります。
また、一般的には10Lサイズのバケツが値段も手ごろで流通量の多いサイズですが、水換えの際には少し余裕のある水量の方がバケツ内の水かさに余裕ができ、床に水をこぼすなどのトラブルを防止する効果があります。
フチにくちばしがついていたり、細長く加工されていて水が注ぎやすくなっている物もあるのでホームセンターで確認してみて下さい。
ちなみに私がオススメするバケツは不動技研さんの「べんりっこバケツ」です
見た目の通り色は透明で注ぎやすいツバ付き、手持ち部分も非常に頑丈な作りとなっています。取っ手の端についているリングはホースを通す事で、手でホースを抑え続けることなくハンズフリーで水をバケツ内に溜める事ができます。
100円ショップの格安品などは、取っ手の部分が貧弱だったり、バケツの壁面が薄く、劣化が早く使いにくいです。
私がおススメしたバケツでなくとも構いませんが、長く使う物なのでちゃんとしたメーカーの頑丈な商品を選びましょう。
【水換え用ホース】
水を排水するためのホースも必需品です。
代表的な物としては「プロホース」か「クイック水替えポンプ」があります。
どちらも水作というメーカーさんが発売している商品で、それぞれに特徴があるのでザックリ説明していきます。
※商品価格に関しては2022年9月現在の目安価格です。現行の価格については上記商品リンクに記載されているので、気になる方はチェックしてみて下さい。
値段はどちらもほとんど変わりはありませんが、明確に違うのは水槽底面の掃除を快適にできるかどうかの差です。
水槽のレイアウトで砂利や化粧砂の敷き分けをしている方は、内部に入り込んでいる汚れを底床掃除でキレイにする必要があります。
ショートヘアグラスやキューバパールグラスなど、水槽の底面に前景草を採用していてソイルを敷き詰めている場合には底床掃除をする必要が少ないので、砂や砂利を使っていない方はクイック水替えポンプの方をオススメします。
【カルキ抜き】
カルキ抜きは水道水の塩素を中和するために必要な道具です。
日本の水道水は飲んでも平気なくらい人間にとってキレイな水ですが、魚たちにとっては中に入っている塩素が悪影響を及ぼすので、塩素を消した上で使おうねというものです。
カルキ抜きのタイプには粒状のタイプと液体タイプがあり、初心者のうちは扱いやすい液体タイプをオススメします。
あればとても便利な物
ここでは持っていると水替えがより快適になる道具を紹介していきます。
なくても作業に問題はありませんが、用意しておくと水替えの効率が爆上がり間違いないので、ぜひチェックしてみて下さい。
【ピペット】
まずはピペットです。
これは液体のカルキ抜き剤を正確な分量で計測する為に役立ちます。他にも液肥の計量だったりとか、液体全般の計量でとても小回りの利く商品なので、一家に1本くらいはあって損のないアイテムです。
ALLプラスチック製のスポイトタイプも販売しています。
ガラス製ピペットのようにガラス管の破損やケガを心配する必要はなくなりますが、プラスチック製の場合は何度も使用していると形状が劣化してピペット自体が破れてしまうことが多々あるので、徳用の大量販売品が最もコスパ良く入手できます。
【コトブキ工芸の砂利スコップ】
砂利スコップは本来の用途と別に、水替えで便利に使えるアイテムです。
カルキ抜き水をバケツから水槽へ直接注いだ場合は、水の勢いで水槽の土がえぐれてしまったり、せっかく作成したレイアウトが崩壊してしまう可能性もあります。
しかし、水槽のフチにこの砂利スコップを引っ掛ける事によって、バケツから出てくる水流を弱めてくれる効果があります。
他に水を注入する際のレイアウトを崩さない方法としては、電動ポンプでバケツの水を水槽へ送り込む手段がありますが、電源が必要だったり何かと手間がかかるので、サッと使えてサッと片づけられるこの砂利スコップが非常に便利です。
【浄水器】
水替えにおいて最強の便利グッズは浄水器と言っても過言ではありません。
アクアリウム用の浄水器は内部に組み込まれている巨大な活性炭フィルターによって、水道水の塩素を自動的に除去する効果があります。
特に60cm以上の水槽サイズで飼育している方は1度に必要な水替えの水量も多く、バケツリレーも繰り返し行うのでかなりの手間ですが、浄水器があればホースとつないで蛇口をひねるだけで手軽にカルキ抜きされた水を出し続ける事ができます。
バケツリレーとはもうおさらば!
実際、私もカルキ抜きを使ったバケツ水替えと浄水器を併用していますが、水道から出た水をすぐに水槽へ投入できるので、浄水器は本当に手間いらずで便利です。
また、キッチンなど家庭用の蛇口にも浄水機能を持ったタイプがありますが、これはアクアリウム用には適していません。
キッチン用浄水器の塩素除去率は80%程度にとどまり、完全除去とまではいかないので水槽の水替えに使用する場合はアクアリウム専用の浄水器をオススメします。
ご自宅の給湯システムと合わせて使用すれば水の温度設定も楽々で、中のシリンダーを交換する事でカルキ抜きに加えてイオン交換樹脂の導入など、水草の育成を促すための様々な恩恵を受ける事ができます。
初期コストはそれなりにかかりますが、これから長く水草水槽をやっていくという方は最終的に持っていて絶対に損のないアイテムの一つです。
市販の水槽用浄水器で最も有名なのは
マーフィードさんのスタンダードクラシックです。
アクア用浄水器の中でも歴史が長く、構造もシンプルでカスタマイズ性もバツグン、使用者も非常に多い浄水器です。
【実践1】ポンプを使って水を出す
今回は私が愛用しているクイック水替えポンプを実際に使用して、水替えの工程を紹介していきます
まずは用意した水換えポンプで水槽の水を抜き取りましょう
ホースの片方を水槽へ入れて
ポンプの部分を握って排水を促します
※注意:ヒーターのひょっこり露出に気を付けよう
バケツに水がたまったら水槽内へ入れているホースを抜き取り
バケツの水を捨てます
これを水槽の水かさが1/3程度減少するまで繰り返し行います
【実践2】カルキ抜きで水を作る
次にカルキ抜きをした水を用意します。
ピペットを使って規定量のカルキ抜きをバケツに投入し
ピペットやピンセットでぐるぐるとかき混ぜて完了です
【注意点】水の温度をなるべく合わせる
注意点ですが、水の温度は水槽に合わせて調節する事をオススメします。
冬場にカルキ抜きした水道水を、そのまま水槽へ投入してしまうと急激な温度変化によって病気が蔓延したり、魚たちの体調が悪くなってしまうかもしれません。
ボイラーなど自宅に給湯設備がある場合は、比較的簡単に暖かい飼育水が作れます。
水の理想温度は24~26℃で、バケツ容量10L分を用意したい場合は
- 40℃の水が6L
- 5℃の水が4L
このレシピで水温26℃の飼育水が10L作れます。
季節によって蛇口から出てくる水道水の水温は変化するので、混合水の温度計算機を使ってバランスを調節する方がいいですね。
以下のサイトを使えば
温水と冷たい水を混ぜた時に、いったい何度になるのか計算する事ができます。
【実践3】水を静かに入れる
最後に、水槽内のレイアウトが崩れないよう丁寧に水を注ぎましょう
水の投入方法は特にルールなどありませんが、先ほど紹介した砂利スコップを使って水流を弱めたり、バケツを水槽のフチに置きホースを使ってゆっくり注ぐ事も可能です。
手を添えて落下する水流を抑えても構いません。
以上を行えば水替えの手順はすべて終了です。
まとめ
最後に注意点とおさらいはこちら
- 水槽の換水は週1/3で30%交換が基準
- 水草の量や照明等の環境によって基準の頻度は変えられる
- 全換水は禁じ手、トラブル対処の最終手段なので普段は控えよう
- 必要な道具をそろえて水の温度をなるべく合わせて換水しよう
まだ水替えをやったことのない初心者の人も、何となく雰囲気だけでやっていた人も、これで水替えのノウハウは大丈夫です。
あとは実践あるのみ
定期的に水を交換して魚たちにとって快適な水槽環境にしましょう。