こんにちは、こつまるです。
みなさんは水槽の照明選び
どのようにしていますか?
照明器具は決して安い買い物ではありませんので
特にこれから水草水槽を始める方は、この照明選びを慎重に行わなければいけません。
パッケージをみていくと購入者の目をひくように色々な性能表記がされていると思いますが、一体どのような基準で選べばいいのかわからないとずっと思っている方もいるでしょう。
今回は照明のパッケージに記載されているスペック表記のお話
はじめに照明のスペック表記の意味をそれぞれサラッと解説して、その中でもルーメン(Lm)という数値に的を絞って、さらに詳しく解説していきたいと思います。
これを読んだあなたは
- 水槽用ライトにおける、スペック表記「ルーメン」をより深く理解できます。
- 自分の作り上げたい水槽環境に合わせた照明選びができるようになります。
冒頭に目次がありますので、知りたい情報へジャンプしながら読んでみてください。
これでもう照明選びは迷わない!
それではザックリやっていきましょう
アクアリウム用の照明を選ぶ方法とスペック表記の意味
照明のパッケージを見ているとスペックなど様々なうたい文句が書かれていますね、ここでは複数ある性能表記を解説してさらにルーメンを深掘りしていきたいと思います。
ルーメン以外の性能表記はどんな意味?
まずルーメンのまえに
他の性能表記についての簡単な解説です
この辺はサラッと行きましょう
- ケルビン(k)
- 演色性(Ra)
- 色の波長(nm)(ナノメートル)
順番に解説していきます。
ケルビン(k、色温度)
ケルビンは簡単に言うと色の暖かさイメージを数値化したものです
2000~3000k近辺の照明は電球のようなオレンジ色の色合いで、10000k近辺の照明は蛍光灯や室内用LED照明のような青白くてシャープな色合いです。
これらは水草の成長などに直接関わるものではありませんが、水槽全体の雰囲気や生体の映り方に影響する数値なので、家の雰囲気や自分がインテリアとして設置する際のこだわりを重視して選択するといいでしょう。
演色性
演色性(演色率)とは
ザックリいうと太陽の光の再現度です
単位は「Ra」で
太陽光を100とした場合にどれだけ太陽光に近い色彩の光か?
を数値化したものになります。
昔はとても重要とされていた数値ですが、現在では昔ほど重要にみられない傾向になり、次で解説する波長の方が今は大切とされる事が多いです。
波長
波長というのは
白い光の中にどの色素がどの程度含まれているか
という割合を色ごとでグラフにしたものです
雨上がりなどの特定条件下で虹を見たことがあると思いますが、あれは太陽光にギュッと含まれている色の要素が自然現象によりほぐれた状態で人の目に映るからです
「虹色のグラフ」を照明のパッケージで見たことありませんか?
波打っててツノがニョキニョキと出ているアレです。
なかでも水草育成では赤の波長と青の波長を沢山含んだ光が良いとされています。
照明パッケージに書かれているグラフでこの二色がニョキっと飛び出してたら水草育成に有利な照明って事ですね。
ルーメン(Lm)とルクス(Lux)の違い
たまにパッケージでルクスという表記をしている場合があります。
これも照明性能を図る単位ですがルーメンとは少し違います。
ちょっとフリーザ様に例えてみましょう
ルーメンの場合
「私の戦闘力は53万です」
ルクスの場合
「私が破壊した星の数は53個です」
内容的にはこのように発言している事になります。
ルーメンの着眼点は照明自身の明るさ、つまりポテンシャルの話であるのに対して、ルクスはその能力を駆使して照らしたその先の明るさ照射結果の数値化です。
ルーメンの意味を掘り下げて解説
ルーメン以外の性能表記、ザックリわかりましたか?
パッケージに書かれているルーメン数が何を意味しているのか。ここからは本格的にルーメンの解説になります。
【例え話】二人の霧吹き商人
ルーメンの良し悪しをどのように決めるのか基準のようなものがあるといいのですが、ここでちょっと例え話をしましょう。
休日のある日あなたはテレビを見ています。
何気なく見ていると通販番組で2人の解説者が霧吹きを売り込み始めました。
彼らの主張はこうです。
「ご覧ください。このスーパー霧吹き!なんとワンプッシュで1000mℓもの水が噴射されます!」
「さらにこっちも見てください!こちらの霧吹きは2個セット!なんと同時にワンプッシュすれば合計1000mℓもの水が噴射できます!」
- 1個で1000mℓ
- 2個で1000mℓ
どちらも水を出した時の合計噴射量は1000mℓですが、霧吹き一個の基準で考えてみましょう
1個で1000mℓの霧吹きはそのまんまですね。
2個で1000mℓの霧吹きは1個あたりの噴射量で見ると500mℓです
単純な考え方です
- 1個で1000mℓ出る霧吹き
- 1個で500mℓ出る霧吹き
噴射の勢いがありそうなのはどちらでしょうか?
当然1個で1000mℓ出る霧吹きですよね!
さらにこの商人の謳い文句
どこかで見た事ないでしょうか?
1個で1000mℓ
2個で1000mℓ…
30cm水槽用1000ルーメン!60cm水槽用1000ルーメン!
そうです。
箱に記載されている照明の長さとルーメン数に似ています。
先程の霧吹き単品での考え方を思い出してください
同じルーメン数だったら長さの短い照明の方が噴射量、つまり光を遠くへ届ける能力が高いということになります。
例えばショートヘアグラスやキューバパールグラスなど、主に前景草と言われる水槽の底面で育てる水草は、照明との距離がかなり離れている状態で育てなければなりませんので、この「光を遠くまで届ける力」がとても重要になってきます
アクアリウム照明でのルーメンの数値は照明の長さに影響を受けるので、高いルーメン数だから安心というわけではなく、設置している水槽のサイズや植えている水草の種類によって必要なルーメン数が異なります。
水草水槽に必要な光量は?
それでは具体的にどの程度ルーメン数を確保すればいいのでしょうか?
水草の育成という目的のもとに照明選びを考えた場合、ザックリいうと照明一台で下記のルーメン数を確保すれば十分に水草が育つ良好な育成環境が作れます。
水槽サイズ | 前景草もしっかり育つ必要Lm数 |
---|---|
ボトルアクア | 300~350lm |
20cmキューブ水槽 | 750lm |
30cm規格水槽 | 800~1000lm |
30cmキューブ水槽 | 1500lm |
60cm規格水槽 | 2000〜3000lm |
これは私が水槽を管理している経験の中で、このルーメン数だけ確保できれば底面の水草も十分に育つ光量だと実感している数値です。
水草の育成はCo2の添加量や水槽内の栄養状態など、他の育成条件も複雑に絡み合って成り立ちますので、これだけあれば絶対に大丈夫というわけではありませんが、照明のルーメン数に関しては上記の数値で問題ないでしょう。
水草の栄養についてより詳しく理解したいという方はこちらの記事で確認してみましょう
また、水草のCo2添加に関する内容は、下の記事でより詳しく解説をしていますので、こちらも確認してみてください。
結論とルーメンの意味まとめ
ルーメンについての解説
いかがだったでしょうか?
最後にザックリまとめましょう
- ルーメンは「光の強さ」を数値化したもの
- 照明本体の長さに対して、ルーメン数の高い照明は前景の水草が育ちやすい
- 前景草がある時は高めのルーメン数を意識して照明選びをしよう
しっかり水草を育てようとしているのに照明の費用をケチってしまったため性能が足りずに水草が育たず、後から後悔して照明を買い直すはめになる。これは、わりと誰にでもあるアクアリウムあるあるです。
魚の鑑賞メインでやっている方はあまり気にする事ではありませんが、将来的に水草育成をやろうとしている方は初めのうちにしっかりとした照明を選ぶ事で、無駄な買い物を抑えて結果的にお金を節約できますので、このルーメンという数値、ぜひしっかりと意識して照明のパッケージと睨めっこしてみてください。