こんにちはこつまるです。
この記事ではサルでもわかる水槽設備解説
今回の話題はみんな大好き、フィルターのお話
水槽において、魚の生命維持に必要不可欠なのがフィルターですね
フィルターには様々な種類がありますが、現在のアクアリウム界隈において、最も代表的な6種類のフィルターを、今後毎回2種類ずつザックリと紹介していきたいと思います。
- 水槽用のフィルターってのが必要らしいけど、どんな種類があるのかわからない
- いったいどんな特徴があって、自分の水槽にあったフィルターがどれなのか選び方がわからない
このような疑問を抱いている方にむけて
今回は
- 投げ込み式フィルター
- 底面式フィルター
上記2種類の解説をしていきます
このフィルター紹介シリーズを全て読み終えれば、あなたも自分の水槽スタイルに合ったフィルター選びができるようになる事でしょう。
他のフィルターも確認したい方は以下のリンクから確認できます。
それでは今日もザックリと解説していきましょう
【前提知識】エアリフトの仕組みと水流の動きについて
まず前提知識として、どのような仕組みで動いているのかを解説していきます。
この2つのフィルターを稼働させるには、エアーポンプの使用が必要になってくるのですが、ブクブク(エアーポンプ)を使って空気を水の中に送っていると、気泡が出てきて水面に舞い上がります。
この「上昇する気泡」に合わせて水の流れが生まれる仕組みをエアリフトと言って、この現象を余すところなく有効活用したフィルターが投げ込み式・底面式フィルターとなっています。
水流の通り道に濾材が存在することによって水中の汚れが集まっていくわけですね。
ブクブクはエアリフトという現象によって、水槽内に上昇水流を発生させる
エアリフトは覚えておいて損はない知識です
例えば、注意点としては
「うるあぁぁあああ!とにかく酸素供給だぁぁぁああ!」
といって、水槽内の至る所でブクブクを大量に設置すると、エアリフトの効果により上昇水流が発生しまくりで水槽内が洗濯機状態になってしまいます
ベタやグッピーなどのヒレが長くて水流が苦手な生体には、ブクブクの設置数と場所に気を付けなければなりません。
逆に水の澱みによるコケの発生など、水の循環に不安があった場合は、これらの改善目的でエアリフトの水流を利用します。
エアリフトは、工夫次第で水槽内の環境改善に役立つ効果を期待できるというわけですね。
生物濾過と物理濾過とは
フィルターを説明する際に避けて通れない言葉が
生物ろ過・物理ろ過という用語です
「物理?生物ろ過?ナニソレ?」って心の声が聞こえてきそうなので、ざっくり言いますと
アクアリウムの世界ではですね
フィルター本来の役割として同時に2種類の使用意図があります
それぞれの意味に関しては下の画像に書いてある通りなので、なんとな~くそう思っておいてください。
ぶっちゃけ詳しくわからなくてもダメではありません
- 物理ろ過→掃除機のようにゴミを集める能力
- 生物ろ過→空気清浄機みたいな水槽環境に関する能力
この程度の認識で
「あー、そうなのね、フーン」
ぐらいで全然問題ないです
特に生物ろ過に関しては、バクテリアについての解説が必要不可欠ですし、正直ここで長々と講釈をたれても「意味がワカラン」という人がたくさんいると思いますので、より詳しく知りたい方はこちらのバクテリアに関する記事を確認してみてください。
それでは各フィルターのメリットデメリットを確認してみましょう。
投げ込み式フィルターのメリットデメリット
金魚用の飼育セットで真っ先に見かけるのがこれ
投げ込み式フィルターは誰もが一度は見たことのある形状で、とにかく安くてわかりやすいのが一番の特徴です
初心者向けの水槽で入門用の飼育セットなどに必ずと言っていいほど同梱されているのがこのフィルターです。
お手軽ゆえにメンテナンス性の数値は非常に優秀ですが、ろ材の量が他のフィルターに比べて貧弱で、投げ込み式フィルターを水槽のメインとして置くには、かなり厳しいのではないかと思います。
サイズの大き目な水草水槽で使う場合は、あくまでメインフィルターは別に設けておいて、水流調整などの補助的な役割で使用する方がいいでしょう。
補助用としては最強な投げ込み式フィルター
投げ込み式フィルターの隠れた特徴は
エアーポンプさえ動けば濾過能力を発揮することができる
という点です
これはエアーポンプを使う底面式フィルターでも同じことが言えますが、利便性に限ってはすぐに取り付けてすぐに取り外せる投げ込み式の方が圧倒的に上です。
例えば災害発生時に停電が起きた場合であっても、電池式のエアーポンプを使って水槽環境の維持を行うことができます。
電動ポンプを使用する他のフィルターは、完全にコンセントありきの装置なので停電には非常に弱く、大規模停電などで電源の復旧が長時間行われないと、水質悪化により水槽環境の崩壊につながってしまいます。
全く使用する予定がない人でも家の押し入れに電池式エアーポンプと合わせて一式しまっておくと、将来的に停電の保険役として力を発揮する時が来るかもしれません。
乾電池の備蓄も忘れずにしておきましょう
底面式フィルターのメリットデメリット
底面式フィルターの良い点・注意すべき点は以下の通りです。
エアリフトの解説で使用した
こちらの図面を、もう一度確認してみましょう。
このフィルターは図面で言う薄グレーの部分、いわゆる骨組みだけが販売されていて、砂利や土の中に本体を埋め込んで使うタイプの装置です。
肝心なろ材の部分は、別途購入したお好みの底床(砂利、ソイルなど)が担当してくれるという、構造はあまり他に例を見ないアクアリウムフィルター界の中では異端児的な濾過装置です。
構造上、フィルターの機能は水槽内で完結します
外に設置場所を余分に設ける必要が無いので、狭い水槽の置き場所であっても気軽に採用できるのがまず一つの利点です。
どんなに外から水槽を眺めてみても目に見えるのは「透明なパイプ一本だけ」なので水槽内で作りだすレイアウトの邪魔になりにくいというのも大きな特徴です。
また、底床をまるまる濾材として使用するので、本体の見た目に似合わず生物ろ過の能力はかなり高く、さらに本体の価格はかなり良心的です。
商売用に水槽を多数設置しなければならないアクアリウム専門店などでも、この底面式フィルターを採用しているところは少なくありません。
とにかくコスパに優れた優秀な濾過能力を秘めたフィルターです。
次に注意点ですが、このフィルターは自分たちが用意した底床に埋め込んで設置する仕組みなので、設置ミスや飼育途中での目詰まりなどが発生したら、ほとんどの場合水槽全体のリセットになります。
底面フィルターの経験がない方は、正直これを聞くとかなりビビってしまうかもしれませんが、気にするのは最初の設置だけで、あとは心配の必要がありません。
また、スノコ部分が目詰まりを起こしてしまうと、エアリフトによって流れる水の量が低下し、濾過能力が徐々に失われていきます。
よってヘアーグラスなどの細かい根を沢山張る水草は、このフィルターとの相性があまりよくありません。
底床を砂利にしている場合は、吸引による砂利掃除で目詰まりを復活させることもできますが、土(ソイル)を使用している場合は時間の経過でいずれはリセットの時が来ます。
とはいえこれらは、とてつもないデメリットのようにも感じますが、作り上げる環境次第で2~3年、場合によってはそれ以上の期間、水槽を維持することも可能なのでそれほど大きな問題にはなりません。
価格に対する濾過能力のコスパが他のフィルターと比べ物にならないほどに優秀なので、一度は経験しておいて損のないフィルターです。
まとめ
それではザックリまとめをいきたいと思います
- 投げ込み式フィルター、底面式フィルターはエアリフトという水流の仕組みを利用したエコなフィルター
- 起動にはエアーポンプが必要
- 投げ込み式フィルターは、補助用フィルターの候補で災害時にも活躍できる
- 底面式フィルターは、扱いは難しいが安価ながらも強靭な生物濾過能力を兼ね備えたコスパのいいフィルター
私が使用してみての感想をまとめたフィルター紹介となりました。
性能評価については、完全に私自身の主観や経験を元に解説を行っているので、あくまで参考情報としてご理解していただければと思います。
結局のところ、どのフィルターでも水槽環境の維持は可能なんですよね
ただ、ご自身のお財布事情とこれまでで紹介したフィルター自体の性能も加味して、最適な物をチャレンジしていくのが醍醐味でもありますので、ぜひとも自分の環境に合ったフィルター選びをやってみてください。
投げ込み式フィルター
底面式フィルター