知識ゼロでもザックリわかる、水槽のバクテリアを増やす方法

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みなさんこんにちは
こつまるです

突然ですが、あなたに質問です

あなたは水槽にトラブルがあった時、SNSなどで質問をして諸先輩がたにこんなセリフを言われた事ありませんか? 

「その水槽はバクテリアがまだできてないんだねー」
「あーそれはたぶんバクテリアが減ったせいかもねー」

そうですね、いきなり始まる専門用語の嵐に面食らったりして

結局バクテリアって
いったいなんなのさ?

って、ね

すっごいわかります

私も初心者の頃、同じ疑問を抱いていました

常識のように名前の挙がる
バクテリアという存在ですが
そういうものなんだと、
よくわかんないけどなんとなく無理やり納得しようと最初は必死でした

でもね、みなさん・・・

諸先輩がたのバクテリア談議は
たしかに鬱陶しいのですが、
それにはちゃんと理由があるんですよ。

 

水槽バクテリアの関係は、まるでポケモンのサトシピカチュウのように、魚を飼育する上で本当に切っても切れない関係にあります。

今回は人生の趣味として10年以上アクアリウムを楽しんできた私が

初心者の多くがぶち当たる問題

「バクテリアとはなんぞや?」

という疑問について深く掘り下げていきます

皆さんはこの記事を読むことで以下のような事がわかります

この記事でわかる事
  • アクアリウムにおけるバクテリアの基礎知識と役割
  • 水槽立ち上げから安定期までの、バクテリアの増やし方と管理方法

初心者の方でも分かりやすいように
専門用語はなるべく使わずに解説していきます

また、この回はアクアリウムにおいてかなり重要な内容を扱っていかなり長丁場の解説記事となりますので、長文に疲れてしまいそうな方は冒頭の目次を頼りに、知りたい情報へジャンプしながら読んでみてください。

これを読めばバクテリアなんてもう怖くない!

それではザックリやっていきましょう。

目次

バクテリアとは?

そもそもバクテリアとは一体何なのでしょうか?

バクテリアは日本語に訳すと「細菌」となります。

ザックリいうと彼らの存在が水槽の中で生み出す効果は水質の浄化です。

とても小さいので人間の肉眼では見えません。しかし、あなたのそばにどこにでもいる存在です。

バクテリアはどこにでもいる

例えば発酵食品は、身近な存在の「細菌」です

日本酒の麹菌、ヨーグルトに入っている乳酸菌や納豆を作っている納豆菌など、これらもバクテリアの一種です。

彼らは「発酵」という特殊能力を使って食品を作り上げた後に、私たちの体に入り込んで役に立ってくれています。

人に優しいバクテリアの働きですね。

水槽内のバクテリア

では水槽にいるバクテリアは
いったいどこからやってくるのでしょうか?

答えは「どこからでもやってくる」です。

 

「・・・ん?どういうこと?(・・?)」

と、思った方もいるかもしれません。

でも本当なんです。

例えば、常温で長時間放置しすぎた生肉が腐ってしまうのはバクテリアの仕業ですが、あれは空中に漂っていたバクテリアが生肉を発見して「腐食」という特殊能力を発動させるからなんです。

水槽でも同じで
「お、ここは居心地ええやん!」
と言って、部屋を漂っている空中のバクテリアたちが勝手に水槽内に住みつきます

なので大抵の場合は、水槽に水を張って生き物がいる状態でエアーポンプを設置し、フィルターを起動したまま時がたてば水槽内に自然とバクテリアが定着します。

バクテリアの役目はフンや食べ残しの分解

それでは一歩踏み込んで
バクテリアの重要な役割についての解説をしていきます。

いきなり変なおっさんが出てきましたが、まぁ聞いてください。

まず、生体の出すフンや食べ残しはそのままにしていると、どこからともなく水槽にやってきたこのおっさん「有機物分解菌」の力によってアンモニアという有害物質へ変化します。

このアンモニアは魚がフンをするたびにどんどん蓄積していき、やがて生体を死に至らしめます。

しかし、ここでもしまた別のバクテリアが水槽にいると、彼らの特殊能力によってさらに毒性の弱い物質へアンモニアを分解してくれるんですね

メモ

水槽内では、大まかに2種類のバクテリアがアンモニアを分解する

本当はこれから紹介するバクテリアたちも「ニトロバクター・ニトロソモナス」なんてとてもややこしい名前があるのですが正直めんどいのでわかりやすく命名します

大丈夫、へいきへいき

安心してください!

ハッキリ言いますが別にバクテリアの正式名称なんて
そんなの知らなくても水質管理はできます

新たに命名しました

我らが水槽内のヒーロー!

バクテリア兄バクテリア弟です
ツッコミは受け付けておりません

バクテリア父(有機物分解菌)によって作り出されたアンモニアは、このバクテリア兄弟のおかげで

まるでポケモンが逆に退化をしていくように

リザードン→リザード→ヒトカゲ

といった感じで

どんどん弱体化をしながら姿を変えていきます。

兄には兄の、弟には弟の得意分野があります。

また、上の図で硝酸塩(NO3)という状態がありますが、このレベルまで弱体化すると
魚たちにとっても、かなり毒性は弱くなっています

しかし、毒性が完全になくなるわけではないので、最終的に人間の手による水替えで水槽から排除されます。

「水替え、大事!」

これがよく言われる根拠はここにあります。

余談ですが、
このアンモニアが硝酸塩(NO3)まで分解されると水草にとっては大切な肥料になるんですね

条件がうまく揃えば水草がこれらの成分を全て吸収してくれるので
魚たちにとってはより居心地の良い環境になります。

分解されたフンたちがどのように水草へ影響するのか

こちらの記事で確認する事ができるので、コケを減らしたい!水草を元気に育てたい!という方はぜひチェックしてみて下さい。

ここまでで、バクテリアとはいったいどのような存在なのか?水槽内でのバクテリアの役割をざっくり解説してきました。

どのようにバクテリアを増やせばいいのか?

次は、設置したての水槽で
バクテリアを増やしていくための
準備と方法を紹介します。

【まずおさらい】初めは水の中に存在しない

先ほどの解説の通り、
水を入れたその時点では
まだ水槽内に、バクテリアは存在しません。

迎え入れる方法としては二種類の方法があります。

  • 自然増殖を期待し、フィルターやブクブクを稼働して放置する
  • 市販のバクテリア剤を使う

それでは順番に解説していきましょう

放置で勝手にバクテリアはやってくる

一つ目は水槽の空回しです、

部屋の中にいるバクテリアが
水槽にやってくるまで地道に待つ方法ですね。

完全に定着するまで最低でもおよそ一ヶ月ほどかかります。

 

ん?

…長くね?

と、思った方もいるかもしれません。

しかし実際はそれぐらいの時間が必要となります。

じっくり準備して、ゆっくり待つのが
水槽立ち上げ成功の秘訣です。

手早く始めるにはバクテリア剤がお手軽

次に二つ目は
市販のバクテリア剤を使用する
です

大手アクアリウム用品のメーカーさんではリキッドタイプのバクテリア剤だったり、あらかじめ菌を封入した固形の石だったり、菌が封入されているエアーストーンなんてのも売っています。

これは立ち上げ初期に設置したり、水替えの際に補給する事によってバクテリアの定着を早める効果があったり、水替え直後の不安定な水質をより安定させたりできます。

ちなみにこつまるも常用しているバクテリアがあります。

こちらのバクテリア本舗さんから発売している「ムサシ」というバクテリア剤

説明書によると中の成分は、様々なバクテリアが封入されているようですが、納豆菌などのバクテリア父が主に入っています。実際使ってみると、導入翌日から水の透明度は格段に良くなりました。

また、アクア業界で昔から信頼のおけるバクテリア剤として、バイコムさんから販売されているバイコムスターターキットというものがあります。

これはフンや食べ残しなどをアンモニアに変化させるためのバクテリア父(ピンク色のボトル)と、毒素を弱体化させるためのバクテリア兄弟(青いボトル)が封入されているキットです。

動画などでも取り上げているアクアリストも多くプロショップでもかなりおススメされているメーカーなので初めて水槽を立ち上げる方はこのバイコムさんを使ってみてください。

普通に水槽を立ち上げる時間よりも、格段に速く安定した水質を作り上げる事ができます。

バクテリアの増殖に必要なもの

ちょっと読み疲れてきましたか?

休憩しても大丈夫です、ゆっくりやっていきましょう。

 

次はバクテリアの増やし方と増えるための条件の話です。

簡単に言うとこんな感じで

  • 酸素
  • 食料
  • 住み家

順に説明していきます。

酸素と食料が必要

なんか人間みたいですね

そうです、バクテリアは細菌
すなわち生き物なので、酸素と食料が必要です。

酸素は簡単です

水槽内でブクブクを設置するなり
フィルターの水流で水面を揺らすなりで
酸素の供給は賄えます。

食料については
兄弟で、それぞれ主食が異なるんですが
主にはアンモニア(NH4)が大好物で

は亜硝酸(NO2)が大好物です。

よくわからなければ「兄の好物はアンモニア」だけ覚えていれば十分です。

増殖の過程についてはのちほど詳しく解説します。

住み家も必要

ここであなた自身に質問です

「好きな家を一件だけ、あなたは無料で購入できるので自由に選んでください」

こう言われたら
あなたはどんな一軒家がいいですか?

想像してみてください。

 

おそらくですが
下のような家を想像する方、多いと思います

あらオシャレ!
まぁ!ステキッ!
すっごい!草はえる!

 

うん、
やっぱり大きい家の方がいいですよね!

せっかく無料って言われているんだから

こんな感じよりかは
ほとんどの人がデカい家に住みたいと思います。

好きな人は好きかもだけどね・・・

 

これはバクテリアにも同じことが言えます。

住み着く場所が広ければ広いほど
より多くのバクテリア兄弟が繁殖できます。

メモ

ろ過フィルターはバクテリアたちの家

下の二つは、我が家に眠っていたフィルターの写真なのですが
ちょっと見てください

ロカボーイという投げ込み式フィルターと
エーハイム2213という外部式フィルターです

フィルターをバクテリアの家だと考えた場合
バクテリアがよりたくさん住み着くのは
やはり右のフィルターです。

当然、水の浄化能力もより高くなります。

メモ

濾過フィルターはできれば大きなものがいい

以下の3記事でフィルターの種類や、その仕組みについて詳しい解説がありますので

気になる人はチェックしましょう

ここまではバクテリア定着に向けての条件と
濾過フィルターの重要性を解説しました

【図解まとめ】バクテリアが増えるまで

次は、水槽がバクテリアによって
安定するまでの過程を図解にしてみました

まず初めに、水槽で魚がフンをすると
バクテリア父の力によってアンモニアが蔓延し、やがて部屋の空気中から
どこからともなくバクテリア兄がかけつけます

次にバクテリア兄は、アンモニアを次々と分解し
自分の分身を生み出しながら
水中や、フィルター内に定着して増殖します。

分解が進み、水槽が亜硝酸だらけになると
次にバクテリア弟が駆けつけてきます

弟は兄と違って
亜硝酸(NO2)が大好きです。

なんかゴチャゴチャですみません

硝酸塩(NO3)まで分解が進むと
最後は人間の水替えによって
水槽の外へ排除されます。

ここまでバクテリア弟が十分に増殖しきると
晴れて水槽の浄化サイクルが完成したといえます

バクテリアが増えた、という判断はどこで下すのか?

それでは
いったいどんな基準でバクテリアの繁殖を見極めるのでしょうか?

基本的には二つの判断基準があります

  • 水槽の状態を確認する
  • 試験薬・試験紙を使う

水槽の状態を確認する

まず、水槽のふちに鼻を近づけて
においをかいでみてください

もし、青くさい異臭がするようだったら
水槽内のバクテリアが不安定な可能性があります 

あとは目視で確認してみてください。

茶色のコケが出ているうちはバクテリアが不足している場合が多く
環境が整った水槽は茶コケもなくなり水がピカピカしています。

もし白濁りなどが発生していたらバクテリアの死滅によって
水質が不安定になっているかもしれません

いずれにせよ
これらの手段は飼育を継続していく事によって
理解がより深まるので
初めのうちは感覚的にわかりにくいかもしれません。

試験薬・試験紙を使う

より確実な方法として
市販の試験薬・試験紙を使うというものがあります。

試験薬には、アンモニア亜硝酸硝酸塩・pH(ペーハー)・GH・KHなど
それぞれの量を薬剤によって調べることができます。

初めのうちは勘に頼らず、しっかりと計測して
バクテリアの状態を見極めていきましょう

 

なお、薬剤は液体一種類につき一つの項目しか調べることができませんが
試験紙は同時に複数の項目を調べることができます。

しかし検査結果の正確さは薬剤に軍配が上がります。

メモ
  • 試験薬は、水槽内物質の量を1種類だけ正確に測ることができる
  • 試験紙は、複数種類の物質を計測できる、測定結果に若干ブレがある

これらを使って、アンモニア亜硝酸硝酸塩を調べると
水槽内バクテリアの繁殖具合がわかります。

特に注意する点は以下の3つです。

1.アンモニア濃度が高い時

・バクテリア兄がまだ増殖しきっていない
・魚のフンが多すぎて分解が追い付いていない

どちらかのパターンが多いです。

定期的な水替えをしつつ、時間をおいてバクテリア兄の増殖を待つか、エサの量を少なくしてフンの排出を制御してみてください。

濾過フィルターを大きいものに交換する事も効果的です。

2.亜硝酸だけ濃度が高い時

・バクテリア兄が定着の兆し
・バクテリア弟は不十分です

時間がたつにつれて時間を置くと徐々に定着が進み、
だんだんと硝酸塩が発生してきます。

浄化サイクル完成まであと一歩です。

3.硝酸塩だけが高い時

バクテリア兄。弟共に定着しています

これで一通り、水槽内の浄化サイクルが安定しました。

定期的な換水を心掛け硝酸塩を低めに保ちましょう。

まとめ

バクテリアの存在と仕組み、見守り方。

これでザックリ理解できたかと思います
最後にまとめを振り返ってみましょう。

バクテリアの知識まとめ
  • バクテリアとは細菌の事
  • バクテリアは水槽内で生体のフンを分解し、その毒性を弱めてくれる
  • バクテリアの増殖には酸素・食事・住む場所を整える必要がある
  • ろ材が多ければバクテリアが沢山滞在して浄化能力が上がる
  • 初めのうちは試験薬かテスト紙でバクテリアの増え方をチェック

水槽管理はどのジャンルだとしても、このバクテリアの存在が基準になって行われていることが多々あります。

ここさえ押さえておけば今後のバクテリア管理と水質管理が、グンとレベルアップする事間違いなしです。

皆さんも、改めて水槽のバクテリア

チェックしてみてください。

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